株式会社アイリス 第一生産部
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DOUBLE MOLD多彩な表現ができる2色成形
2色成形とは
2色成形について
稼働中の2色成形機の動画
二色成形は、専用の成形機(2色成形機)を用いて成形する高度な射出成形工法です。この技術の最大の特徴は、2種の異なる材質や色の樹脂を各々成形し、最終的に一体化出来る点にあります。具体的には、異材質・異材異色・同材異色・同材透明等の多様な組み合わせが可能となり、製品設計の幅を大きく広げます。株式会社アイリス第一生産部では、量産はもちろん、2色成形の試作にも対応。 2色成形機20台(120t~280t)にて、小~大ロットの量産まで、幅広いニーズに応えます。
二色成形のメリットとデメリット
メリット
・部品点数の削減:
2色成形では、従来別々に成形してASSYしていた複数の部品を一体化して製造できるため、製品全体の部品数を削減することが可能です。これにより、在庫管理が簡素化され、組み立てミスのリスクも低減します。
・組立て工数の削減:
部品が一体成形されることで、従来必要だった組立て工程を省略できます。これにより、製造ラインが簡素化され、生産時間の短縮が実現し、生産効率が向上します。
・品質向上:
人手による組立てプロセスが減少するため、作業者のスキルや状態による品質のばらつきを最小限に抑えることができます。結果として、製品の品質が安定・向上します。
・価格低減:
部品点数の削減や組立て工程の簡素化、不良率の低減によって、全体的な製造コストを抑えることができます。最終的に製品価格の低減につながることで、市場競争力を高めることが出来ます。
デメリット
・材料の組合せ:
2色成形では、使用する互いの材料が融着(化学的または物理的結合)する必要があります。
材料同士の相性が適正でないと、融着不足により剥離などの不具合が発生するリスクがあるため、材料選定は非常に重要な要素となります。
弊社ではご希望をヒアリングしながら適切な材料選びをサポートいたします。
・製品形状の調整:
2色成形にて、特にエラストマー材を用いる場合、2種の材料の境界におけるバリやショートモールドなどの不良を軽減する為に、最小限度の製品形状アレンジが必要となる場合もあります。
弊社では、なるべく量産成形条件の幅を持たせ、より安定した品質をお届けする為に、量産に適したゲート仕様や金型構造等をご提案致します。
2色成形の活用例
使用用途は産業製品から
生活用品まで様々
-
家電 APPLIANCES
-
日用品 NECESSITIES
-
自動車 CAR
-
住宅関連 HOUSE
-
アミューズ AMUSE
二色成形の活用例:家電
二色成形は製品の機能性や耐久性を向上させるだけでなく、
防滴・防塵性能の向上や、触感改善やグリップ力の強化など、さまざまな付加価値を提供します。
- 携帯コネクタカバー
- キーボード
- 通信デバイスケース
- 時計ベルト
- コントローラースティック
- カメラグリップ
- 電動工具グリップ
二色成形の活用例:日用品
普段手にする日用品の中にも、2色成形が幅広く使用されています。
エラストマーとハード樹脂での2色成形により、グリップ力や触感の改善などにも活用されます。
二色成形の活用例:自動車の内装や外装・パーツ等
文字・マークの2色成形や、めっき加工用の生地品の成形など、 自動車内装パーツの成形にも2色成形が活用されています。
二色成形の活用例:住宅関連
二色成形はスイッチや住宅設備用の操作パネルなどにも活用されています。
防塵・防滴性能や、部品の⼀体化による組立効率の改善効果をもたらします。
二色成形の活用例:アミューズなどの加飾装飾
2色成形技術は、アミューズメント機器のデザインにおいて多彩な表現を可能にします。
アイリスの対応事例
2色成形 材料の組み合わせ
- 〔エラストマー+エラストマー〕
- ・ウェアラブルのバンド
・カメラグリップ 等々 - 〔エラストマー+硬質樹脂〕
- ・ケース類の防塵・防滴パッキン
・操作パネルの押しボタン系
・複合(パッキンとボタン)
・工具等のグリップ 等々 - 〔硬質樹脂+硬質樹脂〕
- ・透明材での厚肉成形
・表示マークの文字2色(消えない文字)
・各種外観部品
・車載/家電等の2色成形+部分メッキ 等々
2色成形では、素材の相性によって結合性が異なります。
同系統のプラスチックは強く結合しますが、異なる材料間では接着促進剤や設計工夫が必要です。
2色成形を行う際には、使用する素材の相性をよく理解し、必要に応じて接着促進剤や設計工夫を取り入れることが重要です。
素材に関しても提案可能ですのでお気軽にご相談ください。
A材料 | 硬質樹脂 | 軟質樹脂 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
B材料 | PC | ABS | PC/ABS | PMMA | AS | AES | PP | PA | エラストマー | |
硬質樹脂 | PC | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ー | ー | ◯ |
ABS |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ー | ー | ー | ◯ | |
PC/ABS | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ー | ー | ー | ◯ | |
PMMA | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ー | ー | ◯ | |
AS | ◯ | ー | ー |
◯ | ー | ー | ー | ー | ー | |
AES | ー | ー |
ー | ー | ー | ー | ー | ー | ◯ | |
PP | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ◯ | ー | ◯ | |
PA | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ◯ | |
軟質樹脂 | エラストマー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
◯ ・・・ 実績有り
ー ・・・ 未確認
※当社実績によるもので密着強度など保証するものではありません。
2色成形が出来るまでHOW IT WORKS
二色成形は、2種類の異なるプラスチック材料を使用して1つの製品を成形する製造方法です。この技術により、複数の色や材質が一体化された製品を効率的に作ることができます。以下は、二色成形の具体的な工程を詳しくご紹介します。
型締め状態
1次・2次の固定型を
共通の可動型と組み合わせる型締めを行います。
1次側 射出成形
最初の打ち出しのみ1次側だけ射出を行い
1次製品を成形します。
※連続成形内では1・2次同時に成形します。(NO.6)の工程
型開き・回転開始
1次側の射出・充填・冷却が完了したら 型開きを行い、可動側に製品を保持した状態で可動側金型が回転し始めます。
金型回転 完了
可動側金型は
回転テーブルにより180°回転し、1次側と異なる
2次側固定型に移動します。
型締め状態
再度、型締めを行います。 1次側は製品なし。 2次側には1次製品が 可動側型に保持した状態で、 同時射出前の準備完了状態です。
樹脂射出 (2次・1次共に同時射出)
1次側・2次側の樹脂が
各々同時に射出されます。
各々違った条件で
射出される様管理されてます。
2色成形の取り出し
1次側・2次側の成形が完了したら型開きを行い、2次側から2色成形品を取出します。
2色成形工程の完成です。
型開き・回転開始
工程No3~を 繰り返し行い、自動連続成形 (量産)が出来ます
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